BuzzFeedをはじめ、多くのネットメディアが広告を収益源にしています。読者が読んで面白く、広告主の企業にも喜んでもらえる広告が必要とされています。
これまでのネットメディアの広告といえば、記事の上下などに貼り付けられている「バナー広告」が主流でした。
しかし最近は、記事の一部に張り付いたバナー広告ではなく、他の記事と同様に一つのコンテンツとして成立している「ネイティブ広告」が注目されています。BuzzFeedでは「記事広告とは違う広告」として取り組んでいます。
▲人気ライターのヨッピーさん
Takumi Harimaya / BuzzFeed
広告とメディアはどう連携していくべきなのか。
人気ライターのヨッピーさんは、メディア運営にも関わる中で、最近は「記事広告ばかり書いている」と批判を受けることもあるそうです。
そこで改めて聞きました。なぜ、ネイティブ広告を作るのでしょう?
(広告制作の手法を中心に質問したインタビュー「おもしろい広告ってどうやって作るの?」はこちら)
――もともとヨッピーさんはライターですが、今は広告に関わる仕事の割合がかなり大きいですよね。
多いですね。最近、ヨッピーは記事広告ばかり書いてるって言われたりして、本当に「クワァーーッ!」て思ってるんですけど。
まぁその「記事広告いっぱい書いてる」みたいな指摘自体は正しいんですけど、その理由についても知って欲しいなって思って。じゃあ、僕がなぜ広告記事を増やしたかというと、僕の中には大きな流れがあるんです。最近、僕がよく書いている記事広告を大きく分けると、二つ切り口があって、ひとつは「エンジニアの採用」で、もうひとつが「おでかけ・観光」なんです。もちろん他にもありますけど、最近増えてるのはこのふたつ。
この二つをなんで一生懸命やっているかというと、両方意味合いがありまして。ひとつめの「エンジニアの採用」については、以前、エンジニアのえらい人たちと話してた時に、みんな『エンジニアが足りない』って言うんですよ。どの会社もエンジニアが足りてなくて困ってる、と。それで僕、言ったんですよね。「じゃあ、エンジニアの人は給料があがってウハウハですね」って。ね、需給バランスを考えるとエンジニアの給料は上がっているはずじゃないですか。足りてないんだもん。そしたら「いや、給料はそんなでもないですよ」って。
「え? なんで上がらないんですか? 人手足りてないんですよね?」って言うと、「人が動かないからです」って言われたんです。つまり、待遇が悪いまま働いている人が世の中にはたくさんいるんですよ。他に好待遇の募集があっても選択肢に入れずに目の前の仕事に追われるエンジニアがいっぱいいると。もし、そういう人たちが転職活動をしはじめたら、元いた会社には待遇の改善をしなきゃっていう圧力になるし、そういう人材を雇いたい人たちが好待遇を用意するぞ、と。
だから、エンジニアの待遇を改善するには人を動かすのが一番早いんだ、みたいな話を聞いて、なるほど。たしかにそうだな、と。だから、僕としてはエンジニアの転職市場を活発化させることをお手伝いすることで、エンジニアの人たちの待遇が改善されたら良いよね、と思ってやっていることなんですよ、本当に。
――なるほど。観光に関しては?
観光に関しては、SPOTっていうメディアの隠れ編集長みたいなことをしています。編集長ってなんかこっぱずかしいから大々的には言ってないんですけど。その、SPOTっていうメディアはキュレーションメディアの逆をやろう、というコンセプトなんです。
つまり、適当に拾ってきた情報を繋ぎ合わせるのではなく、ちゃんと現地に詳しい人が書く、ネットで拾ってきた画像を貼るのではなく、実際に取材に行って自分たちで撮った写真を使う、安い単価で書かせるのではなく、ちゃんとした金額をライターさんにお支払いする、というテーマでやりはじめたんです。打倒キュレーションメディアで。
僕がSPOTに入ったのは2016年の9月からで、WELQ問題が起こる前だったんですけど、(キュレーションメディアは)本当に嫌だと思っていて、なんとかやっつけられないかなと思ってたんです。たとえば「五反田 銭湯」で検索して欲しいんですけど。
――はい、検索しました。
このトップに出てくる記事。ほら、中身を開くと「五反田駅から徒歩2分、ラクーア」って書いてるんですよ。ラクーアって水道橋だから、五反田から徒歩2分で行けるわけないんですよ。自転車で10分で行けるとか、「ラクーアは地元の知る人ぞ知る銭湯スポットです」とか書いてるんです。
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RETRIP / Via retrip.jp