日本屈指の花火大会、開催の危機
8月24日から東北地方に降った大雨の影響で、開催が危ぶまれていた「大曲の花火」は8月26日午前6時、今年の開催を決めた。
決定の背景にあるのは、「夜通しで復旧作業」に動いた地元商工会議所のスタッフたちの奮闘だ。
全国屈指の花火大会として知られる「大曲の花火」。雄物川の河川敷を会場にした花火師たちの競技大会で、全国から観光客ら約70万人が訪れるという。
「大曲の花火」(2015年)
時事通信
ところが、今年は大雨の影響で雄物川が増水し、河川敷が水に浸かった。SNS上には観覧席や打ち上げ会場が水浸しになる様子がアップされた。花火打ち上げ用の機器も水に浸かって、開催を危ぶむ声があがった。
夜通しの復旧作業
大会の公式Facebookにも「昨日からの豪雨で、8月25日9時30分現在、観覧会場および打上会場が冠水しています。河川の水位が下がり次第、全力で復旧につとめます」というアナウンスがあった。
ここで立ち上がったのが、主催者の大曲商工会議所のスタッフ、大仙市の職員ただった。
BuzzFeed Newsは商工会議所に取材した。対応したスタッフによると、会頭以下、スタッフが現場に入って夜通しで復旧作業にあたったという。
「会場が浸水していましたが、水が引いてから、開催できるかどうかを決定するとしていた今日(8月26日)の朝まで夜通しで作業をしていました。スタッフ総出で、桟敷席の洗浄や消毒、花火打ち上げのための配線工事に取り掛かりました」
結果、会場設営や打ち上げは可能だと判断した。1人1000円の有料自由観覧席は無料にすることもあわせて発表された。
「水害に負けない」
この決定を地元の住民も歓迎している。
秋田市の会社員、高田巧さん(28歳)は「今年の秋田は多くの水害に見舞われました。大曲の花火も、この大雨で開催できないと思っていました」
「水害に負けないで、徹夜で復旧作業をしてくださって関係者の方々のおかげで、今年も大曲の花火が観ることができて嬉しいです」