今シーズン限りで現役引退をする千葉ロッテの井口資仁選手。8月27日、古巣・ダイエー(現ソフトバンクホークス)の本拠地、福岡ドームでのラストゲームに挑んだ。
ソフトバンクの先発は和田毅投手。和田は井口と同じく、現役選手の中で「ダイエー時代」を知る数少ない選手の1人だ。井口と和田以外には、川崎宗則や寺原隼人、杉内俊哉などがいる。
時事通信
井口はダイエー時代、バルデスや松中、城島らと“ダイハード打線”の中軸を担った。和田もプロ一年目ながら先発ローテーションを任された。日本シリーズ第7戦では完投し、日本一の胴上げ投手になった。
その後、井口は2005年にメジャーリーグ・ホワイトソックスに移籍。和田も2012年にメジャーに移籍した。
▲2003年の日本一の瞬間。胴上げ投手は和田だった
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先輩・井口と後輩・和田の福岡ドームでの最後の対決。和田にとってこの日は、5月に受けた左肘手術からの復帰戦でもあった。
福岡での最後の対戦
和田は4回にこの日6個目の三振を奪い、史上51人目となるNPB通算1500奪三振を達成した。奪った相手は井口だった。和田はベンチ前で花束とボードを受け取り、ファンの声援に応えた。
対する井口も第1打席にレフト前にヒットを放った。しかし、2打席目は三振。3打席目はセンターフライに倒れた。福岡での最後の打席を、和田との対戦で締めくくった。
和田は6回を投げ、9奪三振0失点の好投。復帰戦を白星で飾り、3勝目をあげた。お立ち台にあがった和田はこう話した。
「自分が入団した年、井口さんがセカンドを守っていて。自分が投げるときはヒット、ホームラン、タイムリーと打っているイメージしかなかった。井口さんがロッテに戻って来てからは、チャンスになるといつもそれが頭をよぎって。『抑えられたらいいな。ファーボールでもしょうがないな』という気持ちで投げていました」
「今日最後ということで、勝負できるところはまっすぐ勝負。自分も入団してから15年。井口さんに少しでも成長したところを見せれたと思います」
試合終了後、井口は球場を1周した。
バックスクリーンには「お疲れさまでした」の文字が映し出され、ソフトバンクファンの手には「青春感謝」「感動をありがとう」のボードがあった。
井口は、今日までのソフトバンク3連戦終了後、1軍の出場選手登録を抹消され、来月の引退試合まで登録されないことが報道されている。
報道によれば、井口から伊東監督に「若い人を使ってほしい」という申し出があったそう。
福岡と千葉に愛された男が、かつての本拠地・福岡ドームを去った。