プロレスラーの高山善廣選手は、5月4日のDDTプロレス豊中大会の試合中に負傷。試合後、病院に搬送され、翌5日にDDT公式サイトで頸髄損傷および変形性頚椎症と説明があった。
長期休養に入っていたが、9月4日の記者会見で頸髄完全損傷で身体の回復の見込みはないと発表された。
TAKAYAMANIA提供
マネージャーの石原真さんは、会見で高山選手の現状を「意識はあるが、首から下の感覚がなく、人工呼吸器をつけて呼吸をする状況でした。現在、自分で呼吸できるようになり、ICU(集中治療室)からHCU(準集中治療室)に移り、8月中旬に関東の病院に転院。自分で呼吸のできる状況です。ただ、肩から下の感覚が戻っておりません。お医者様からは『(身体の)回復の見込みは現状ない』と言われております。本人も絶望を口にしている状況でしたが、少しでも望みを持って、リハビリを行っております」と説明した。
これをうけ、プロレスラーなどからは激励のコメントがTwitterなどで発表されている。
そんな中、この選手からもコメントが寄せられた。
ドン・フライ「あなたは戦士」
Alberto E. Rodriguez / Getty Images
2002年6月23日「PRIDE.21」。高山選手は、2001年から総合格闘技に本格復帰をしたドン・フライ選手と対戦。
試合開始直後から壮絶なノーガードの殴り合い。マウスピースが飛び、両者が出血するほど激しいものだった。ドン・フライは終始パンチの連打。高山はストマックへの膝も交えて応戦した。
1ラウンド6分10秒。試合はレフリーストップにより、ドン・フライの勝ち。高山は顔が腫れ上がり、変形した。
同大会のメインイベントは、ドン・フライ対マーク・コールマンが予定されていたが、コールマンが負傷で欠場。高山選手にオファーがかかったのは試合の1週間前だった。この試合は“伝説”となり、いまでもファンの間で語り継がれている。
そのドン・フライ選手からIGFを通じて、高山選手に向けてのコメントが発表された。
「タカヤマさん、あなたは神が私に与えてくれた誰もが期待する最高の対戦相手でした。あなたとの闘いは世界中が観戦した最高の試合だった。その証拠の一つとしてワールドカップ・サッカーの視聴率に我々の試合は勝ったよね」
「まさしく、あなたは武士道、強さ、完成されたファイターの象徴。俺に会う人はみんな、あなたとの試合のことを語る。そんな対戦相手はあなたが初めてです」
「あなたは『戦士』まさしくそのものだ。タカヤマさん、俺はあなたが今の状況を脱して快方に向かうことを心から祈ります。あなたを失うことなんて考えれません。それゆえ、我々は常にあなたのことを思っています。しかし、もし万が一のことがあれば、それは神からのお告げです」
高山選手が主戦場としていたDDTは、支援団体「TAKAYAMANIA」を設立。各団体に呼びかけて試合会場に募金箱を設置し、応援グッズなどを販売。活動の収益はすべて高山選手の治療費に充てられる。また、募金の振込も呼びかけられた。振込先は以下の通り。
【銀行振込】
東京三菱UFJ銀行 代々木上原支店(店番号)137
口座番号:普通預金 0057767
口座名義:株式会社 髙山堂