ジャニーズ事務所は1月31日、所属タレントの写真について、一部制限付きを設けてネット解禁を発表した。
ジャニーズ事務所の看板
時事通信
同事務所はこれまでタレントの肖像権保護の観点から、ウェブ、ネットメディアへの掲載を許可していなかった。
しかし、Netflixのオリジナルドラマ「炎の転校生 REBORN」の主演をジャニーズ WESTが務めたり、岡田准一のLINE LIVE、木村拓哉のLINEスタンプなど段階的に解禁を進めてきた。
木村拓哉のLINEスタンプ
LINE
今回の解禁に際し、同事務所は「スマホを中心とした情報伝達・情報処理が大きな比重を占めるようになった市場の変化に段階的に対応してきた」と発表している。
今後、ネットメディアへの露出拡大も考えられるが、広告業界への影響はどうなのか。BuzzFeed Newsは複数の広告代理店関係者に話を聞いた。
「歓迎です。とはいえ、あこぎ…」
某広告代理店に務める30代の男性社員は話す。
「現状、ウェブ広告におけるジャニーズの起用は『減った増えた』どちらでもないですね。引き続き影響の大きい存在のままです」
複数の現役代理店社員によれば、ウェブ掲載は解禁になったものの、ジャニーズ事務所はレギュレーションが他事務所に比べ、細かく決められているとのこと。
「それにウェブ使用でいちいちお金がかかる仕組みなんですよね。ほかにそのような事務所はあまりないです」
「ジャニーズも危機感を持って対応しようとしていますが、レギュレーションは厳しいですし、お金がかかるのはいまのところ変わりません。なので影響でいうと、広告代理店的には『歓迎ですよ。とはいえ、あこぎですね…』という感じです」
実際にジャニーズ所属タレントを使用する際のレギュレーションを確認したが、「トリミングの可否」「メインビジュアルの使用可能枚数」などが細かく規定されている。
「安売りしない」ブランディング的には正しい売り方
段階的に進めてきたとはいえ、今さらのネット解禁。正直、時代錯誤感は否めない。
それでも、「やはりジャニーズは広告塔としても強いです」とほかの代理店社員はいう。
「ファンの絶対数もそうですが、ファンの強さが違いますね。本当に人が動きます。おそらく『安売りしない、ブランド価値を保つ』ことがファンの熱狂に繋がるのではないでしょうか」
「なので、ネットに安易に出さないのは一概に変な話ではなく、ブランディング的には正しいんですよね。安売りしないという意味で。もちろんまったく出ないのは時代錯誤ではありますけれどね」
3、4月にはさらなるウェブのレギュレーション改定が噂されているジャニーズ事務所。「高い」とはいえ、今後、広告業界にも影響を与えるだろう。