衆議院の野党第一党である立憲民主党が3月21日、学校法人「森友学園」に関する決裁文書の改ざん問題発覚後、初めて大規模な街頭演説をした。
雨が降る中、祝日の新宿には支持者が集まった。衆院の最大野党の党首は国民になにを訴えたのか。
立憲民主党の枝野幸男代表
Takumi Harimaya / BuzzFeed
街頭演説には枝野幸男代表をはじめ、蓮舫参院国対委員長や長妻昭代表代行、福山哲郎幹事長が参加。
枝野代表の演説の要点は、「佐川宣寿前国税庁長官」「忖度」「安倍昭恵夫人」の3点だった。以下にまとめる。
佐川宣寿前国税庁長官について
国税庁長官を辞任し、記者団の質問に答える佐川宣寿(9日撮影)
時事通信
福山幹事長の後にマイクを握った枝野代表。まず、佐川宣寿前国税庁長官のことに触れた。
「佐川さん一人でやったはずはありません。佐川さんは文書を改ざんしても、ばれたらとんでもないことになるというリスクを背負うだけで、なんの得にもならない。なのに、なんで佐川さんが改ざんするんですか」
こう述べた上で、「まさに政権ぐるみで文書を改ざんしたんです。財務省の問題ではありません。政権全体の問題です」と安倍政権を批判した。
27日にある佐川氏の証人喚問については、「こんなものは入り口の入り口でしかありません」とする。
「(佐川氏は)文書の偽造で罪に問われるかもしれない。佐川さんは証言拒絶権を持っています。洗いざらい話してくれるかわかりません」
「でも、佐川さんに期待しましょうよ。佐川さんも間違いなく40年前は、この国の未来のために、大蔵省に入省したのではないでしょうか。その初心を今こそ取り戻して、国民のために証言をしてくれ。その声を上げようじゃありませんか」
「忖度」について
19日の集中審議で答弁する安倍首相
時事通信
安倍晋三首相は19日の参院予算委員会の集中審議で、国有地売却での大幅な値引きに関して、財務省による昭恵夫人への「忖度はなかった」と強調した。
枝野代表は「忖度」についてこう話した。
「安倍総理はこの期に及んで『忖度したとか圧力があったとか、書いてないじゃないか』と。当たり前でしょ。公文書で公開されることが前提なんですよ。忖度したなんて書くばかいない。圧力があったなんて書くばかいませんよ」
「それが書けない変わりになにが書いてあったか。政権ぐるみで政権を守るために国民の共有財産である公文書を改ざんし、国会ででたらめなことをいって一年にわたって国民を騙してきた。公文書の改ざんは深刻な問題です」
また、「民主主義どころじゃない。私たちの社会が成り立たなくなる案件」と強調した。
安倍昭恵夫人について
福祉ふれあい対談会に出席した安倍晋三首相夫人の昭恵氏(3月17日撮影)
時事通信
枝野代表は昭恵夫人についても触れた。
「公文書になぜ安倍昭恵さんの名前が書いてあったのか。中学生には失礼だけど、中学生でもわかるんじゃないですか」と忖度について指摘した。
「少なくとも財務省の一人の方が命を亡くされ、空前の文章偽造問題まで発展した。この問題のキーマンが安倍昭恵さんだということは間違いありません。後ろめたいことがないならば、さっさと国会に出して証言してもらえばいいじゃないですか」と昭恵夫人の証人喚問も訴えた。
長妻代表代行、枝野代表、福山幹事長(左から)
Takumi Harimaya / BuzzFeed
最後、枝野代表は「日本の未来にはあなたの力が必要です。一緒に戦いましょう。私たちも怯まずに戦っていきます。共に頑張りましょう」と訴え、演説を終えた。支持者からは「枝野コール」が起こった。