1月17日、ループ動画アプリ「Vine」がサービスを終了しました。
Via vine.co
2013年1月にスタートしたVine。ほんの6秒の短い時間の中で表現する場所として、少しずつ人気と知名度を獲得していきました。
一時は次世代サービスとして注目されたものの、勢いは失速。InstagramやSNOW、他のライブ動画配信サービスが伸びる中、たった4年でサービス終了に至ってしまいました。
なぜ、Vineは終わってしまったのでしょうか? ユーザーにとっては何が魅力、そして不満だったのでしょうか?
日本でも有数の人気ユーザーで海外にもファンを持つ、大関れいかさん、ほくぴーさんの2人と振り返ります。
「人生を変えたサービス」
大関さんは20歳、ほくぴーさんは25歳。ともに趣味で始めたVineをきっかけに10〜20代を中心としたファンを増やしていきました。
大関さんのTwitterは現在フォロワー80万人を超え、タレント並み。それぞれテレビや雑誌、ネット番組、映画などにも出演。SNSの活用にとどまらず、仕事につなげています。
Vineをきっかけに出会った2人は、今はカップル。仕事もプライベートもVineで変わったと言います。「さみしい!」と口をそろえる2人に今の思いを聞きました。
――Vine終了にあたって、今の思いは?
ほくぴーさん「超さみしいです!!!!! だって人生を変えてくれたんだから!!!!!」
大関さん「ただたださみしいし悲しい! けど、今までありがとうの気持ちのが大きい!!!! Vineが終わっても大関は終わらないです。Vineはキッカケにすぎません。Vineありがとう!」
――Vineに一番ハマっていた頃はいつ頃で、どのくらいの頻度で使っていましたか?
大関さん「始めた当初、高校2年生の冬(2013年末〜2014年)。どハマりして毎日のようにアップしていました。それも、1日に4個とか。相当暇だったんだと思います(笑)」
ほくぴーさん「2016年の春くらいまでずっと、毎日見てました。海外Vineの面白いやつを見つけては悔しがってました」
――Vineの面白さ、魅力はどのあたりだったのでしょうか。
ほくぴーさん「海外のファンと動画でコミュニケーションが取れること、短くても笑える動画がたくさんあるところ」
大関さん「たったの6秒間しかなかったこと! 誰でも見れる退屈しない長さだし、クリエイターはほんの6秒でどう伝えるか、どう面白くするかを考えるのが面白かったし飽きなかった。
ループすることも魅力でした。3回目あたりでジワジワくるものもあれば、1回目で笑っちゃったものをループして更にハマっていくこともあって」
――Vineを通して生まれた会話や出会いなど、印象的なエピソードがあれば教えてください。
大関さん「アメリカや中国、韓国からブラジルまで、海外からたくさん反応があって驚きました。言葉が通じなくても仕草や声で伝わるのが面白かったし、こんなに離れたところに住む人たちが私の動画を見てくれていると思ったらうれしかったです。私のVineが好きだと言ってくれるファンのみなさんと出会えたこと、交流できたことは人生の宝物です。
Vineを通して、他のクリエイターと仲良くなって、みんなでお仕事したり動画を撮ったり、面白いものをより追求する仲になれたのもよかった。『こんなことやったら面白くない?』をもっと考えるきっかけにもなったし、みんなで地方に行ったのも楽しかったです」
ほくぴーさん「僕は人生の全てが変わりました。今の彼女も今の会社も今の仕事仲間も、全てVineがなかったら出会わなかったので。
ずっと見ていた海外のトップVinerと会えた時は、本当に感動しました。その人たちと動画や夢について話せたことは今でも最高の思い出です。
あと、オンライン英会話の教師が、僕のことをVineで見たことがあると言ってくれたのはめちゃくちゃうれしかったです(笑)」
――Vineが伸び悩んでしまった理由について、ユーザーの一人としてどう感じますか?
ほくぴーさん「ユーザーのニーズやトレンドを把握できていなかったことではないでしょうか。アップデートが求めている方向と違ったり、遅かったり……。例えば、編集時のフィルター機能や音楽をつける機能はもっと早いうちから求められていたと思います。
Vineで多くのフォロワーを抱えている人のほとんどが、PCや別アプリで編集していたものをVineに投稿している感じでした。新しい動画投稿者が続かず、新規ユーザーが伸び悩んだのは、そこにあるのかなと思います」
大関さん「やっぱり動画には流行りがあるので、他の面白いアプリやサービスが増えていくと移ってしまいますよね。そちらの方がクリエイティブなやり方を追求しながらお金を稼ぐことができたからじゃないかな」
――今後はどんな活動をしていく予定ですか。
ほくぴーさん「Twitterをメインにしつつ、YouTubeや別の場所でマネタイズのやり方をいろいろ試しているところです。お仕事で動画を作ったり出演したりする比率が高くなっていて、忙しさからなかなか思うように動画を出せておらず、フォロワーの皆さんには申し訳ないのですが……。もう少し効率化して、自作の動画ももっとたくさん出していきたいです!」
大関さん「今はお芝居に興味があります。コメディの映像作品を自分でも作ってみたいですし、『私たちのハァハァ』(2015年)に続き、映画にもまた出演する機会があればと思っています。これからも新しいこと、やりたいことにどんどん挑戦していきたいです」
――最後に、ふたりのお気に入りVine作品を教えてください(Twitterの埋め込み動画として表示されていますが、投稿時はVineでした)。
大関さん「んーーーありすぎて選べません(笑)。やっぱり小中高のシリーズですかね。あとは『海 彼氏の前vs友達の前』かな?」