現在、Twitter上で密かに人気を集めているアカウントがある。
それが古ツイート発掘者協会(@icho_ga_yowai)だ。
Twitter / Via Twitter: @icho_ga_yowai
同アカウントは、一般ユーザーの過去のツイートを掘り返し、その頃の気持ちを思い出せるというもの。例えばこのように引用ツイートで思い返さす。
いったい誰がなにを目的に運営しているのか。また、発掘していて気づいたこととは。BuzzFeed Newsは運営する“中の人”に話を聞いた。
「目的は特にないです」
運営者はシステムエンジニアをしている20代の男性。始めたきっかけをこう話す。
「ツイート発掘を始めたのは今年の6月22日からです。目的があって始めたわけじゃなく、なにかTwitterを使ってユニークなことをしたいな、と思って始めました」
スタートから約1カ月でフォロワーは6千人を超えている。
発掘するツイートはランダムだが、そのほとんどは「5年後」や「10年後」などのワードを含むツイートを対象にしている。
「例えば『5年後に今のことを思い出すかな?』というツイートを5年後に掘り起こせば、掘り起こされた人はなにかしら思うことがあるはずです。安易に心を動かすことができるワードなんです」
あとはその日の気分のよって「死にたい」「Twitterやめる」などのキーワードでも発掘をしている。
試しに「私(記者)のツイートを発掘してみてください」とリクエストしてみた。
7年前のツイートが発掘された。自分でもこのようなことをツイートしていたのかと忘れていた。あとすごい恥ずかしい。ちなみにこれは新卒で入社した会社での出来事である。若かった。
ほかにも…
このように単にユーザーの昔のツイートを掘り起こすだけでなく、Twitterという巨大SNSのアーカイブもしているのだ。
発掘作業をして気づいたことは?
Kacper Pempel / Reuters
発掘作業をしていて気づいたことはあるのだろうか。
「まず、アニメアイコンの多さですね。どんなワードで検索かけても多いです。あとは、2011年3月11日以前と以降で世界が変わったなと思いました」
「地震に対する感度がまったく変わったように感じます。これまではただの揺れだったものが、3月11日を連想させるものとして認識されるようになりました。放射線に対する関心もそうです。健康被害を懸念する人、批判する人、その両方が増えていました」
例えば「5年後」という言葉で検索をかけても「地震」や「放射能」というワードもあがってくる。3.11以降、Twitterでも将来を懸念するツイートが増えたそうだ。
「死ね」とワードの増加。
ほかにも「死ね」という言葉が急激に増えたことも気づいたという。それは「おはよう」「ありがとう」などを遥かに超えているそう。
「Twitterだけでなく、2ちゃんなるや掲示板なども対象にしました。しっかりと集計したわけではないので、実際はどうなのかは分からないですけれど。現実世界とインターネットで、流通量に差がある言葉は『死ね』ではないでしょうか」
これについて「裏サイトや深層webなんかよりよほど恐ろしい」と述べる。
また、母数が違うのでなんとも言えないが、初期のTwitterは「死ね」という言葉は少ないようにみえるとも分析する。
今後のついて。
“中の人”は「今後も発掘作業は続けていく」と話す。
しかし、「そのうち飽きるかもしれませんので、当協会は発掘作業員を募集しております。複数人でやった方が飽きづらいですし、飽きても跡継ぎがいるなら辞めやすいですし」とも。
興味がある人は“中の人”に連絡をしてみてはどうだろうか。
Twitterを通じて見える日本のSNS社会。気づくことは多いかもしれない。